WTI原油 【見通し・予想・動向】66ドルの高値警戒感はあるが超えそうな雰囲気を感じる テクニカル分析・ファンダメンタルズ解説 CFTCポジション比較 2021年5月07日(金)の週を終えて
2021年5月03日(月)から5月07日(金)の週を終えて
WTI原油の最新の動向を解説します。
- API、EIAの最新の在庫の状況
- 1週間のファンダメンタルの出来事と値動きの解説
- テクニカルの分析
- 投機筋や個人投資家のポジション状況を見て市場心理の解説
これらの情報を総合的に分析して
今後のWTI原油の相場展開の見通しや予想を立てていきます。
この記事を最後まで見るメリットは
WTI原油の最新の動向をすべて把握できる事です。
たとえ途中から市場に参加したとしても
原油カテゴリにある記事を見直してもらえれば
1週間ごとの流れを記録しているので
容易に相場環境を認識する事ができると思います。
それでは、各章を見ていきましょう。
WTI原油 見通し 予想 動向(2021年5月07日(金)の週を終えて)
#WTI原油・俺ニカル分析
2021年5月7日の週を終えてECB副総裁の発言や
ユーロ圏のPMI指数の好調な結果で
欧州の経済正常化に期待が寄せられて
原油が買われる中国が台湾のの防空識別圏に進入したとの報道で
地政学的リスクが高まる66ドルの高値警戒感はあるが
超えそうな雰囲気を感じる pic.twitter.com/mBdo0S3GTO— 旭(あきら)@生涯収支-528万円・石油トレーダー (@akira_asahi_38) May 8, 2021
上記ツイートで1週間の全体的な動向について述べていますが
この内容をもう少し深く掘り下げて、1つずつ解説していきます。
解説の流れは以下の通りです。
- 原油の在庫状況
- ファンダメンタル分析
- テクニカル分析
- ポジション状況
- 週の終値の動向
WTI原油の在庫状況
API在庫の状況
在庫めっちゃ減ってるやんけ!!
でも市場ではネタにもされてない…w
EIA在庫の状況
API同様に在庫めっちゃ減ってる!!
でも66ドル台の高値警戒感から利益確定売りに押されて終わっています…
原油の在庫の状況 まとめ
指標の結果が良くても価格が良い方向に動くわけじゃない事が
最近、分かり始めました。
WTI原油 ファンダメンタルズ分析
2021年5月03日(月曜日)から5月07日(金曜日)の1週間のファンダメンタルズの解説や値動きの動向をチェックしていきます。
この1週間の原油価格の上げと下げの要因を要約すると
価格が上昇した要因は以下のとおりです。
- ユーロの製造業購買部担当者景気指数(PMI)の結果が良好
- ECB副総裁が経済が加速すれば、ECBは緊急緩和措置の段階的解除に着手できると発言
- 中国の軍用機が台湾の防空識別圏に進入したとの報道
- 欧米の経済正常化からのエネルギー需要回復期待が高まっている事
- 非農業部門雇用者数変化が市場予想よりかけ離れた悪い結果となり、ドル安株高から買われる
価格が下落した要因は以下のとおりです。
- 66ドル台で高値警戒感が出て利益確定売り
- 日本の緊急事態宣言が延長された事
2021年5月03日(月曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
東京タイムで売られ
ロンドンタイムで底打って反発上昇
NYタイムで高止まりヨコヨコで終了
エネルギー需要回復期待との情報しか出ていないが
この日は、ユーロの製造業購買部担当者景気指数(PMI)とデギンドスECB副総裁の発言で
ユーロ高のドル安が背景にあると思う。
時間帯の値動きがユーロドルと似通った動きをしている。
16時台に指標発表とデギンドスECB副総裁の発言がありユーロドル筆頭にドル安が進む。
原油もこの時間帯に底打ち感を出し始め
22時台で高値を更新し始める。
デギンドスECB副総裁は
『新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済が加速すれば、ECBは緊急緩和措置の段階的解除に着手できる』
と発言している。
ユーロ圏の経済復活からのエネルギー需要の回復期待の買いが入ったものだと思われる。
安値62.90 → 終値64.48(+158pips上昇)
(16時台)
2021年5月04日(火曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
東京タイムで売られ
ロンドンタイムで底打ち反発(月曜とほぼ同じ。16時台から上昇の勢いが加速)
NYタイムで高値更新して終了
この日は中国の軍用機が台湾の防空識別圏に進入したとの報道が入り
地政学的なリスクが高まった。
ただ原油はこの報道が出る前に高値を追う不可解な動きがあり
情報がすでに漏れてた可能性が高い。
一旦、高値で売られるが、NYタイムで高値を更新して終了した。
主に欧米の経済正常化からのエネルギー需要回復期待が高まっている事が背景にあるようです。
イエレン財務長官が『景気過熱を抑制する為に金利を上げる可能性がある』と発言したが反応せず。
安値64.28 → 終値66.11(+183)
(14時台)
2021年5月05日(水曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
東京タイムで高値を付ける
ロンドンタイムで高値を超えようとするが頭打ち
NYタイムで下落して安値を更新する
66ドル台の高値圏にいる事で利益確定売りが出た。
EIAの在庫統計で800万バレルクラスの原油在庫の減りを見せた。
しかし、良い結果が出たのに無視されて下落して終わっている…w
高値66.73 → 終値65.28(-145pips下落)
(17台・23時台)
2021年5月06日(木曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
東京タイムで買い戻され、その日の高値を付ける
ロンドンタイムで戻り高値を売られ下落
NYタイムで安値更新して安値に張り付いて終了する
エネルギー需要の回復の遅れを懸念した売りとしか報道されていない。
23時頃に日本が新型コロナウイルス感染抑制の為の緊急事態宣言を5月31日まで延長するとの報道が出ている。
東京、大阪、京都、兵庫に加え、新たに愛知、福岡が対象となる。
高値65.96 → 終値64.85(-111pips下落)
(17時台)
2021年5月07日(金曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
東京タイムで買い戻され、その日の高値を付ける
ロンドンタイムで戻り高値を売られて下落し安値を更新
NYタイムで安値から反発上昇して終了
この日、非農業部門雇用者数変化の発表があった。
市場予想では97万8000人の増加の見込みだった。
しかし結果は26万6000人の増加にしかならず…期待外れの内容となった。
雇用がヤバイ…で原油が売られるかと思いきや
緩和の継続や早期テーパリングは無理だろ!!との見方から株が爆上げしてドル安が加速。
ドル安による商品の割安感と株高(ダウ30史上最高値を更新)によるリスクONで
原油は安値で買い戻された感じで週を終える。
始値64.85 → 終値64.83(-2pips)
(高値14時台、安値21時~22時)
WTI原油 テクニカル分析
WTI原油の日足チャートをベースにテクニカル分析をしていきます。
1週間の価格動向ダイジェスト
- 週の前半2日で5日転換線に支えられながら上昇して66ドル台に到達
- その後は66.58のレジスタンスに阻まれ下落
- しかし下落はしたものの、転換線と5日線の中にとどまり週を終える
直近のレジスタンス
66.58 緑のライン
直近で高値警戒感から打ち返されているから
意識はされていると思う。
上に抜けたら70ドルへの片道切符となるだろうね。
直近のサポート
63.33ドル 緑のライン
前の週の終値が押し安値になった形。
そして転換線あたりで買い支えが強くなってるので
この近辺がサポートじゃないかと見てる。
もう少し下押すなら62ドルの基準線あたりかな。
WTI原油のCFTCのポシション状況を比較
週末に発表されるCFTCのポジション状況を記録して
合わせてiFOREXで見れる個人投資家のポジション状況を比較して
市場参加者の心理を紐解いて、今後の相場展開を予想していこうと思います。
基本的に個人投資家が多めに持っているポジションは負け易い傾向にあるので
それを基本概念に入れて市場心理を解説していきます。
WTI原油のCFTCのポジション状況
前週に大口が売りで踏みあげられたのを見て
踏み上げチャンスかと思えば66ドル台まで到達している。
ここぞとばかりに買いを入れている大口には笑わざるを得ない…w
WTI原油の個人のポジション状況
前の週に63ドルで売りが増えて66ドルに踏みあげられてる
そこから売りが増えてるのを見るとナンピン売りして耐えてる感じか。
そう簡単には下がらないかもしれないね。
WTI原油のポジション状況 まとめ
個人投資家が売りで捕まったまんま66ドル台までは上り詰めた。
利益確定売りという名のもとに、かろうじて下落はしているが
66ドル超えるのも時間の問題じゃないか?と思い始めている…
週の終値を比較
2020年12月04日 46.11 (+57pips上昇) OPEC会合で減産は徐々に解消だが、市場参加者はポジティブにとらえる
2020年12月11日 46.56 (+45pips上昇) イギリスで新型コロナワクチンの接種が始まる
2020年12月18日 49.03 (+247pips上昇) アメリカで新型コロナワクチンの接種が始まる
2020年12月25日 48.29 (-74pips下落)
2020年12月31日 48.18 (-11pips下落)
2021年01月08日 52.61 (+443pips上昇) バイデン政権+上院下院が民主党が制覇、サウジが自主減産発表、協調減産もおおかたの減産幅で合意
2021年01月15日 52.11 (-50pips下落) バイデン氏が発表した財政出動は織り込み済み、原油市場では需要の回復は見込めないとアナリストが言う。中国がロックダウンで原油価格が下落
2021年01月22日 52.06 (-5pips下落) バイデン氏の就任式後、頭打ちで下落。イエレン氏はバイデン氏の大規模政策を支持する意向
2021年01月29日 52.17 (-11pips下落) ロビンフッダーが大暴れして株式市場はネガティブな感じに。
2021年02月05日 56.95 (+478pips上昇) サウジ自主減産やアメリカで大雪に見舞われて需要が増した
2021年02月12日 59.61 (+266pips上昇)
2021年02月19日 58.93 (-68pips下落) アメリカの寒波の影響が収まり利益確定売りに。バフェット氏がシェブロンの株を購入
2021年02月26日 61.53 (+260pips上昇) アメリカの長期金利が爆上げで市場は大混乱
2021年03月05日 66.26 (+473pips上昇) OPECプラスが4月も協調減産を継続、生産も据え置き。サウジも自主減産続けるってよ
2021年03月12日 65.57 (-69pips下落)
2021年03月19日 61.42 (-415pips下落) IEAがスーパーサイクル論を否定。ゴールドマンがブレント原油80ドルに行くと予想
2021年03月26日 60.80 (-62pips下落) スエズ運河で大型コンテナ船が座礁
2021年04月01日 61.25 (+45pips上昇) スエズ運河の問題は解消。OPEC+が5月~7月に微増産するってよ。サウジも自主減産を徐々に辞めるってよ。
2021年04月09日 59.36 (-189pips下落) イランの増産懸念、OPEC+の微増産を再評価
2021年04月16日 63.07 (+371pips上昇) 中国輸入統計が良好で原油を爆買い!IEAとOPECが2021年の世界の石油需要見通しを引き上げ!
2021年04月23日 62.11 (-96pips下落) インドのロックダウンと日本の緊急事態宣言
2021年04月30日 63.46 (+135pips上昇)
2021年05月07日 64.83 (+137pips上昇) 中国の軍用機が台湾の防空識別圏に進入したとの報道
まとめ
WTI原油の1週間の流れをまとめると以下のようになります。
- 週の前半はユーロ圏の経済正常化や中国と台湾の地政学的リスクの高まりから原油が買われた
- その後は66ドル台に到達すると利益確定売りに押された
- 在庫の減り具合は良かったが利益確定売りには勝てなかった
- 週末は非農業部門雇用者数変化があり、予想よりかけ離れた低い数値が出た事で、利上げやテーパリングはムリと判断されてドル安株高から原油が買われた
- 個人投資家と大口はショートで捕まってる状態
来週も押し目買い優勢だろうな。
前の週でも言ったように、66ドル抜けを確認するまでは
70~150pips抜いて逃げ切るのが無難だと思う。
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